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長谷「今日も疲れたね~藤宮さん」
藤宮「そうだね、長谷くん。でも明日から冬休みだよ?」
桐生「やっと冬休みか…」
山岸「ねえねえ~みんな冬休みとか予定ってあるの~?」
長谷「予定かあ~、まだわからないけど結局毎年なにもしないで家にいることが多い気がする。藤宮さんはどこか出掛けたりするの?」
藤宮「私は毎年家族と旅行に行くんだー。去年は新潟にスキーをしに行ったよ!楽しかったな~」
長谷「ということは今年も行くの?」
藤宮「ううん、今年はお父さんが急に仕事が入っちゃって、久しぶりに私も家でゆっくりしようかなーって」
長谷「なるほどね~。将吾は?」
桐生「俺も特にこれといった予定はないな…」
長谷「あはは、将吾らしいや」
桐生「お前も人のこと言えねえだろうに……、山岸は?」
山岸「う~ん、私もみんなと同じかな~?桐生くんから振ってくるとは珍しいですね~?」
桐生「た、たまたまだっ……」
長谷「はは、みんな同じなんだね。いやー暇しないようにしたいところだけどっ……と。あ、忘れてた~」
藤宮「長谷くん、どうかした?」
長谷「母さんから頼まれてたんだよ、ほら、これ見て!」
山岸「なんですか~これ?」
藤宮「これは……商店街の福引きの券だね。2枚あるよ?」
長谷「そうなんだよ、学校帰りについでに行ってきてくれって……。でもここ!特等見てみて!」
桐生「ん、この特等は……温泉旅行4名様ご招待?」
藤宮「そうなんだ~当たったら長谷くんの家族と行くの?」
長谷「いや、実はさ……親に掛け合ってみたんだけど、当たったらこの4人で行こうかなーって」
藤宮「え!?いいの!?」
山岸「うわ~い温泉だ~!」
長谷「当ててみれるものなら当ててみなさい、だって。あはは」
桐生(また面倒くさいことになりそうな予感がするな……)
長谷「なんか言ったか将吾~?」
桐生「いや、なんでもない」
藤宮「まずは商店街にいってみようよ、みんながいれば当たるかもしれないよ、ねえ沙希ちゃん?」
山岸「行く行く~!温泉旅行絶対当てましょ~♪もちろん桐生くんもいくよね~?」
桐生「さて、俺はこれで……」
長谷「い く よ な ?将吾?」
桐生「へいへい……付き合ってやるよ」
長谷ナレーション「福引きをする目的の商店街は俺の家を通り過ぎたところにある。ついでだったので俺の家にみんな荷物を置いて商店街に向かうことにしたんだ」
藤宮「お邪魔しまーす……長谷くん、誰もいないみたいだけど……?」
長谷「ああ、大丈夫。母さんが近くに出掛けてるときは鍵を閉めないことも多いから問題ないよ。とりあえず荷物は俺の部屋に置いていいよ」
山岸「綺麗なおうちですね~」
桐生「まあ、いつも来てるからあまり変わらんな」
長谷「ここが俺の部屋だよ、散らかってるけど気にしないでね、ははは…」
藤宮「全然散らかってないと思うよ、むしろ綺麗だよ!」
長谷「そ、そうかな?……あははっ、ありがと、藤宮さん」
桐生「お前、めっちゃ顔ニヤケてるぞ」
長谷「うっさいなー雰囲気壊しやがってー!邪魔すんなよーっ!」
藤宮「どういうこと?長谷くん」
長谷「あ~っいや気にしないで藤宮さん!なんでもないから!」
藤宮「そ、そうなんだ」
山岸「まあまあ、お2人さん、そこまでで~ってことで、荷物置いたから早くいこうよ~っ福引き楽しみなんだよ?」
長谷「そ、そうだよね山岸さん。そろそろ行こうか」
桐生「ま、それもそうだな……」
藤宮「うん、そうだね。じゃあ、お邪魔しましたー」
山岸「お邪魔しました~」
桐生「……お邪魔しました」
長谷ナレ「こうして俺の家を後にし、商店街へ歩き始めたのだった」
長谷「あ、あったあった!あそこだよ」
藤宮「賑わってるね~」
長谷「これはスーパーとか商店街で買い物すれば誰でももらえるし、なによりスーパーが近いから買い物帰りに寄っていく人が多いんだと思うよ」
山岸「はやく福引きしようよ~?」
長谷「そうだね山岸さん。早速いこう!券は2枚あるから俺と将吾で引こう。いいだろ?」
桐生「いや、俺は……」
藤宮「長谷くん、桐生くんに引かせたいってことは何か理由があるの?」
長谷「うん、そうだよ。この間違うところの福引きやって試しに将吾が引いたらさ、なんと特等の黒毛和牛当てたんだよね!そんな強運の持ち主を使わないわけないよ!」
山岸「桐生くんすご~い!今回の温泉旅行当てたら本当の強運の持ち主だよ~」
長谷「あはは、そうだね。……あ、順番だ。じゃあ俺から引くね」
藤宮「頑張って!長谷くん」
女性店員「三等は緑、二等は青、一等は黄色、そして特等は白です。ではいいですよー」
長谷「よし……藤宮さんと温泉旅行で楽しむためにも白をっ!………えい!」
桐生「なんか聞いてはいけないような下心が聞こえたような気がするが……さて、どうなんだ?」
女性店員「これは……黄色ですね、おめでとうございまーす!一等です!」
長谷「う~ん惜しかったな~、一等はなんだっけ?」
女性店員「一等は商品券2万円分ですね、どうぞ」
藤宮「すごいね長谷くん!いきなり一等当てちゃうなんて」
長谷「特等まであと一歩だったんだけどねー、惜しかったよ。でも母さん喜ぶかな、あはは」
山岸「じゃあ次は桐生くんだね~」
桐生「まあ、あの馬鹿は話してて気づいてないみたいだし仕方ないからやってくるか……」
女性店員「お、次は別の方なんですね、どうぞ」
桐生「まあこんなもん運ゲーだろ……ほいっと」
女性店員「あ」
桐生「おっ……これは……。よし、山岸、あの馬鹿に報告しにいくぞ」
山岸「あ、待って、置いてかないで~」
長谷「やっぱり福引きってかなり仕込んであると思うんだよね、なかなかでないし、苦労するよ~」
藤宮「そんな仕込むとかはしてないと思うけど……お父さんは欲を持たなければ当たるって言ってたよ」
長谷「そっかーそれもそうかもね。お、将吾おかえり。どうだった?まあさすがの将吾も今回ばかりはダメだったろうなーかわいそうに。なんなら商品券分けてあげてもいいんだけど」
桐生「え?……当てたんだけど」
長谷「なん………だって?」
桐生「てかおまえは人の話を聞けよ……」
藤宮「え!?おめでとう桐生くん!っていうことは私達、温泉旅行に行けるんだね!」
山岸「そうだよ~香織ちゃんと温泉なんて楽しみだな~」
藤宮「私も沙希ちゃんといけるの嬉しい!楽しもうね♪」
長谷「将吾……お前のくじ運って……」
桐生「まだ気にしてたのかよ……、藤宮と一緒に行けるからいいだろ?」
長谷「はっ!そうだった!将吾感謝してる!ありがとー!」
桐生「あいっかわらず切り替え早いな……」
長谷「そうだ、みんな。荷物置いたついでによかったら温泉旅行が当たったお祝いに俺の家でクリスマスパーティーも含めてやらない?まあそれはみんなの都合がつけばなんだけど……ダメかな?あ、将吾は強制な」
桐生「俺に人権はないのかよ……別に問題ねえけどよ」
藤宮「私もお母さんに連絡すれば大丈夫だと思うよ!みんなでやるクリスマスパーティー楽しみだなー♪沙希ちゃんは、大丈夫?」
山岸「香織ちゃんが行くなら私はどこへだって行くよ~」
長谷「みんな大丈夫みたいだね。よーし、パーティーだ!……てか、当たってよかった~」
桐生「結局下心かよ……。まあ、たまには悪くないかもな」
長谷ナレ「こうして将吾の活躍により、俺達は温泉旅行に行けることになったんだ。その後、クリスマスパーティーをして、みんなは帰っていった。3年という短い高校生活、その中でも俺は今とても充実しているんじゃないか、とそう自分に問いかけ、眠りについたのだった」
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